北天満サイエンスカフェ
北天満サイエンスカフェは、天五中崎通り商店街(おいでやす通り)で行われている、まちづくりと地域活性のための
プロジェクトです。お茶を飲む気軽さで、科学者と一般の皆さんが議論・交流する場を提供しています。


お知らせ

2024.5.21
第177回北天満サイエンスカフェ「AIとの賢いつき合い方」は、ゲストの事情により開催延期となりました

次回のサイエンスカフェ

第178回北天満サイエンスカフェ

介護福祉はどうなっていくのか?

日時:6月16日(日)14時~16時

ゲスト:堅田 知佐さん(大阪健康福祉短期大学)

会場:天五中崎通商店街(黒崎町交番付近)




参加無料 ただし、悪天候の場合は中止

こども面白サイエンスカフェ・オンライン

面白実験をいろいろ紹介します。

前回のサイエンスカフェ

第176回北天満サイエンスカフェ「PFAS汚染 私たちの水は大丈夫?」
4月とは思えない汗ばむほどの日和の日曜日、いつものように商店街アーケードのサイエンスカフェが始まりました。テーマは、PFAS汚染。PFAS(ピーファス)とは、たくさんのあるいはすべての水素原子をフッ素原子に置換した炭化水素鎖を含む化合物の略称で、石鹸の主成分である脂肪酸の炭化水素鎖の水素をフッ素に置換した化合物などを含みます。天然にはこれらのフッ素置換化合物は存在しないのですが、もとの脂肪酸は人間の体も作っているごくありきたりの物質です。PFASは化学的に安定で、水をはじいたり、高温にも耐えるなどの有用な性質を持っているので、日常生活の至るところで使われてきました。ところが、これらの化合物は人間の体に取り込まれたときに、発がん性が疑われるようになり、国際的には10年以上前から製造や使用の規制対象になっていました。



日本でも最近になって、東京横田や沖縄の米軍基地周辺や、PFASを製造していた摂津市のダイキン工業周辺の地下水が高濃度に汚染されていることが明らかになったことがきっかけに、ようやく関心が高まってきました。今日の話題提供者の出口幹郎さんは、これまでに大阪や阪神間、神戸、明石の自治体等が行ってきた河川や地下水の調査結果を紹介。大阪の北部では、摂津市を中心に東淀川区まで広範囲に地下水の汚染が広がっています。また、大阪東部では寝屋川の汚染が確認されています。参加者から下水処理場が汚染源になっているのではとの指摘。また、明石川では、産廃処分場に繋がる排水路で高濃度の汚染が明らかに。これに関わっては、出口さんは明石市に対して情報公開請求を行ってPFASの分析結果報告書を得たとのことです。出口さんは河川の水量や流速が小さい場合は高濃度になる可能性があると指摘します。

私たちには毎日使う水道水の汚染が最も気になるところですが、それぞれの水道の水源近くに汚染源となる施設がないか点検が必要。加えて、明石川の分析結果報告書の検討結果ではPFAS汚染を1リットル当たり10 ナノグラム以下にするためには、明石市内の2つの浄水場に取り込まれる原水のPFAS濃度が1リットル当たり50ナノグラム以下であることが必要と考えられると、出口さんは指摘。



現在の日本の水道水のPFAS暫定目標値(法的な規制値ではない)は1リットル当たり50ナノグラムですが、最近アメリカでは、飲料水の基準値(法的な規制値)が1リットル当たり4ナノグラムに引き下げられました。出口さんは、調査した範囲では多くの自治体の水道水がアメリカの新基準値をオーバーしているとのこと。

参加者からは、大阪は昔から七名水で知られる土地で、今でも地下水を利用する家庭も少なくないので、丁寧な調査が必要ではないかとの意見。最近、北海道や熊本で大規模な半導体工場が建設されているが、これらが新たなPFAS汚染をもたらすのではないか心配の声。また、化粧品メーカで働くという参加者は、PFASは今でも化粧品に広く使われているので、PFASを含まない商品を開発しようと思うと発言。これには参加者一同拍手でした。

討論への熱心なご参加をありがとうございました。

…(前回以前の記録)