• 第48回「ピラティスで整えよう心と体」

    Date: 2012.08.17 | Category: 未分類 | Tags:

    6月も暮れになり雨がちなお天気の中、開催された第48回北天満サイエンスカフェ。今回のテーマは「ピラティスで整えよう体と心」、話題提供者はピラティスインストラクターの町田恵理先生・理学療法士の佐々木拓磨先生のご両名です。

     

    当日の風景

     

    肩こりにお悩みの方も少なからずいらっしゃると思いますが、初めに先生方は肩こりについての話をされました。肩こりには大きく分けて、関節痛やヘルニアなどの病名がつくものとつかないものの2種類があります。皆様は肩こりのうち病名のつくものとつかないものとどちらが多いと思われますか?実際にはつかない肩こりが肩こり全体の8割以上を占めています。この「病名のつかない肩こり」は社会的・心理的なものが原因です。例えば、アフリカでは、ストレスが少なく自給自足の生活を送っているため、肩こりが少ないと考えられています。

    では「病名のつく肩こり」は如何にして防ぐことができるでしょうか?そこでピラティスが出てくるのですが、その準備として背骨の話がありました。例えば、先ほど少し名前がでたヘルニアの場合は背骨に負荷を過剰にかけたために、軟骨の柔らかい部分(椎間板)がはみ出し神経を圧迫した結果痛みが発生するのですから、背骨の重要性が窺えるかと思います。背骨に無理な負担をかけずに体を動かすには、

    1)   背骨を全体的に使い

    2)  タテ・ヨコ・ひねりの3つの方向に動かす

    ことが重要です。

    背骨は体幹の中心に位置し、背骨のゆがみは体幹のゆがみを引き起こします。

    1)  肩が左右で高さが同じか

    2)  左右の肩の一方が前に傾いていないか

    3)  背骨は正しく反っているか

    などを見ます。最初の2つは誰かに見てもらえば分かると思います。最後は誰かに腰を後ろから押してもらうと分かります。こけそうになった場合は背骨が必要以上にそっています。

     

    背骨は多くのパーツからできています。

     
    ピラティスでは背骨を動かすときにはあることに注意します。背骨のパーツ1つ1つを動かすことです。普段落ちているものを拾うときは、何も考えず腰のみを曲げて拾うか、あるいは脚を曲げて屈むかだと思いますが、腰を曲げるときにも、漫然と腰のみを曲げるのではなく、腰の最も下のパーツからパーツを1つ1つ徐々に動かしてゆき、首のパーツまでを動かしてゆきます。逆に曲げた腰を伸ばすときも同様に腰から首までのパーツを1つ1つ動かして起こしてゆきます。

    次に話されたのは呼吸のことです。ピラティスでは胸式呼吸を用います。歌うときには腹式呼吸が推奨されますが、胸式呼吸はその対になるもので、主にあばら骨(肋骨)を動かして呼吸します。ポイントは以下の3つです。

    1) 胸の周りの筋肉をつかうこと

    2) 吐くことに意識を向けること

    3) 長く吐くこと

    余談になりますが、ヨガでは腹式呼吸を用います。これは精神の安定を目的としたヨガと筋肉を動かすことを目的としたピラティスの差によるものです。次の話にも関係しますが、腹式呼吸は副交感神経を刺激しリラックスさせる効果があります。一方胸式呼吸は交感神経を刺激し緊張した状態になります。

     

    Let’s ピラティス

     

    ピラティスをしていて動きが完全にはできないことがあると思いますが、その場合は「どこまでできたか」、その限界を意識することが重要だそうです。

    最後に自律神経の話がありました。この神経は代謝や体温調節のような基本的に自分の意志ではどうにもならない(不随意)運動を制御する神経です。たとえば心臓の動きを止めようにも止められません。ただし、唯一呼吸のみが自発的に自律神経に影響を与えることができるので、ヨガやピラティスでは呼吸を重視するわけです。この自律神経は先ほど述べた交感神経と副交感神経に分かれます。どちらがいい・悪いの関係ではなく、両方のバランスが大事だとのことでした。

     

    最後になりましたが、来場者の皆様、町田先生、佐々木先生、商店街の皆様に篤くお礼を申し上げます。(Y.N.)

     

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